注:当記事で想定するのは4ドアで7人掛けのシートが存在する電車の3列整列乗車の場合です。
問題提起
始発で座ろうと奮闘した経験はあるだろうか?
自分はその最たるもので、睡眠時間を多少削ってでも早く家を出て、始発駅で電車を何本か流し着席を狙うタイプの人間だ。(通学時間が長いので電車で居眠りすれば削った睡眠時間はペイ出来る)
さて、その際否が応でも身を投じなくてはならないのは席争いである。その熾烈さは局所的に極まる。
はて、その争いを避けるための始発、ひいては整列乗車なのでは?と思う人も多いだろうが、その考えは部分的に正しく部分的に誤りだ。以下の図を見てほしい。
○が座席であるが、4つのドアに対して座席が54であるのが確認できるだろう。(実際は車椅子のためのスペースなどで更に減ることもある)
単純計算で、1つのドアに並んだ人の中で前から13.5人座る事が出来るということになる。……おわかりいただけただろうか?
当然人間は半分になどなれない。必然的に、14人目を争う戦いが隣のドアに並んでいる奴と始まることになる。その戦場は言うまでもなく、7人掛けシートの中央だ。
縦3列での整列乗車であるなら、前から4列(わかりにくいが、行列でいうところの「行」)の12人は基本的に安泰だ。余程のことがなければ何の問題もなく着席できる。
しかし5列目以降の人間は地獄を見る。何せ戦う相手は隣のドアに並ぶ人間だけではない。自分の真横にいる奴だって14人目の競合相手だし、前の12人もちんたらして壁を作っているようなら排除すべき障害だ。
整列乗車はあくまでホームの混雑や明確なトラブルを防止するためのものであり、争いは存在するという事がご理解いただけただろうか。
戦術提案
戦いだと分かった以上は戦術が欲しい。その為にはこの戦いがどういう性質のものなのかを理解しなければならないが、結論から言う。団体戦である。
14人目を争う5列目×4ドアの個人戦として考えるにはあまりにも運要素と喧嘩すれすれの体のぶつけ合いが大きい。もちろん本質はそうなのだが、マクロな視点を持っている人間が並んでいるだけでそのドアの圧勝につながる。勿論、今から提唱する説が億が一にも浸透してしまうようならばまた個人戦が始まってしまうので、あくまで相手の一歩先を行く「戦術」であり「必勝法」ではないことに留意する必要はある。
そしてその戦術はこの記事のタイトルの通りである。
「前に並んでいる人間が7人掛けの中央にさっさと座る」以上。
わざわざ説明する必要はないだろうが、これだけでいい。5列目が戦いの始まりなんぞ甘えた環境なら2列目3列目が勝負を仕掛ければ競合の必要はない。
中央寄りの2番ドア3番ドアならば、ドア当たりの着席数16を狙う事すら出来る。
なぜ1列目ではないのか?そりゃ流石にちゃんと並んで待ってた人には7人掛けの両端でもたれる権利くらいあるだろうよ。
◎の位置の人が仕掛けるのが一番スマート。入ったドアから5番目の席までインベイドすると流石に揉める危険があるから気をつけようね!
終わりに
ここまでツラツラと書いてきたが、これを実行するメリットははっきり言って無い。2列目3列目は元々着席が確定しているし、得するのは自分ではなく後ろに並んでいる顔も知らない奴だし、その分別のドアに並んでいる顔も知らない奴は損している。
ただ、団体目線で勝利したというのは事実だ。当記事での啓蒙が、朝のげんなりするような通勤通学ラッシュに一つの達成感を付与できるならば幸いである。