【並び打ち体験レポ】ぱちんこの中に潜む……?

 

 社会人になって2週間が経過。新卒として日々勉強。やりがいと労働環境に恵まれ、大学院時代の19433472364230545950910倍充実した日々を過ごす俺が、今年度初めてのブログに選ぶテーマ。それがパチンコ。

 

 

経緯

twipla.jp

 

 

登場人物

くれいん

俺。競馬に狂って二桁年、人生の長さは四半世紀。七年間在籍した大学をとうとう今年3月に離れ、生協出資金が帰ってきた。福沢諭吉の本場、†宗教法人慶應義塾で七年塩漬けした二万円には、恐らくなにかしらのスピリチュアルな力が宿っていると思っている。パチンコ未経験。

 

1000ju

D進した学園都市のオタク。俺と違って優秀なので、俺よりいくらかパチンコすべきではない金を大学から手に入れている。研究が忙しくて競馬の投票締め切りをよく逃す。クッキークリッカーRTA in Japanに出て運ゲー箇所をしっかり上振れさせるなど大舞台での経験も豊富。今回の企画のコアメンバーで、パチンコはやはり未経験。

 

zombieyarou(ゾンビさん)

深刻なギャンブル中毒と、何故か負け額をキチンと計算し続ける几帳面さ、二つを危ういバランスで両立させている傑物。公営競技パチスロは勿論、株、FX、一口馬主マッチングアプリなども全てギャンブルとしてのめり込む。今回はマチアプの女と会うために早抜け予定だったが、無事ドタキャンされフル参加。

 

らかしー(らかちゃん)

恐らく最年少。誕生日記念のクラブイベントにかなりの人数とプレゼントとアルコールを集める人望の持ち主。ハタチになった直後から明らかに初心者ではない馬券の買い方を次々と披露し周囲をざわつかせている。この回の前週にパチンコデビューしており、つまりこの日はちょっと先輩。

 

Kyoro

競馬オフパチンコオフと連続参加のフッ軽ナイスガイ。オフ中や直前に多くの勝ちを発生させてメンバーの総合収支をハードキャリーし、恵みを分け与える度量も持つ気前のいい男。*1経験を活かして今回は指導員として八面六臂。”ボーダー”という用語を説明する際に「ボーダー数値より-1,2だと中央馬、それ以下なら笠松の馬」と発言。初心者たちは恐怖で漏らした。

 

ヤバスギ謙信

厳密に言うとこのパチンコオフには参加していないし、ギャンブル愛好者ではない。たまたまオフ会場となったパチ屋のすぐ近くでバイトをしていたため、二次会から遊びに来てくれた。その結果Pカップ→バイト→飲酒のコンボに肉体が悲鳴を上げたらしい。

 

 

前日指導編

 そもそも、俺が事前に持っていたパチンコについての知識はこうだ。

  • 光る
  • 音が出る
  • 当たるとタマが出て、運がいいと連荘する
  • 出たタマをキンが埋め込まれた特殊景品と引き換え、店舗とは別の場所にある謎の空間に持ち込むことで初めてお金に戻せる

 これらは概ね間違っていなかったようだけれど、肝心の遊び方はよく知らないと言わざるを得ない。お金を入れる場所、どうやって玉を打つかなどの基礎知識をKyoroさんに教えてもらった。競馬で言えばマークシートの塗り方と券売機の使い方といったところだ。

 一番勉強になったのは場所決めだ。俺は当初、筑波のオタクがいるから秋葉原が会場にいいのではないかと思っていた。Twitterでアキバでパチ打ってるオタクよくいるしな。しかし、逆に人が多すぎるため並び打ちとかは難しいらしい。

 パチンコをやっていない俺でも、「アツい」とか「設定」という言葉は知っている。皆さんもそうだろう。アレが意味するのは要するにどれだけ期待値が高いかなのだが、排出率が変わらないパチンコにおいては同じ金額あたり何回ガチャが引けるか(≒釘)、一回のガチャ代が変わらないスロットにおいては排出率(≒設定)がどうなるか、そこを変動させているということだと理解した。

 要は16日の秋葉原はそういうのが優遇されている日で、人がいっぱい集まるから初心者向けでもなくオフ会向けでもないということ。大型店舗があってそれなりに競争が激しい*2池袋が地理的にもちょうど良く、そこに集合することになった。

 

適切な指導

これはインストラクトというよりただの私怨だ

 

当日・午前

 11時に集合。遅刻もあったが、5分トイレに行くと次の電車が20分後になってしまう地域に住む人は責められない。なんだかんだ自分視点では全員一回以上会ったことのあるメンツだったので、特に大仰な自己紹介などはせず即店舗へ。今までうんこのためだけに立ち寄っていた施設に、初めて客として入る。

 パチンコとスロット、そして賭けるレートの2×2で4つの選択肢があったわけだが、大学から発生した万札を保持している自分と1000juが1玉4円のパチンコへ。初心者組が4パチを選んだため自然とメンターのKyoroさんもこっち。遊ぶことを重視したらかしーと、今日オフがあるのに前日に競艇で2万溶かしていたゾンビさんは一度別れて1パチに向かった。

 一通りフロアにある機種を紹介してもらいながら、何を打ちたいか?という話になる。俺たちはオタクなので当然美少女エイニメの機種を遊びたかったが、肝心の機種の情報はまるでわからないため、特段の希望がないという宙ぶらりんの状態にあった。あ、でもアズールレーンのやつはフォロワーが悪口言ってたからパスで……

 最終的に、1000juがクラブ仲間に「脳を溶かせ」と指示されていた台、リゼロに二つ並びの空き席があったのでそこに座ることになった。

 

p-town.dmm.com

 

 ……リゼロ。実はというか、普通に良く知らない。俺がこの作品について知っているのは、Cygames謹製DCGシャドウバースとコラボして実装されたスキンだけだ。

この時のヴァンプありえないほど強かったのもあって印象深い

 それを1000juに伝えると、どうやら彼の方も未履修で、この作品についてはCygames謹製アニメーションRPGプリンセスコネクト!Re:Diveでしかよく知らないという。

ハーフエルフってリとプ、どっちの設定なん?

 しかし恐らく、原作をよく知らない機種を打つことはパチンコの世界ではよくあることのような印象がある。ついで言うなら俺はオタクでこそあれ履修ジャンル的にはアニメくんではなかったので、よく知る作品は特にフロアには無かった。つまり割となんでもよかったというのが実のところだ。

 台に座り、Kyoroさんに各場所の説明を受け、設定も弄ってもらう。設定のおかげで、何かアツい時は下のランプが赤く光るようになったらしい。わかりやすいのは良いことだ。さて、やりますか……という顔つきで一万円を挿入した。

 

 ……?

 

 30分後、一万円分の玉が尽きた。一度ランプが赤く光ったがあまり期待できない演出ですぐにハズれ、その後は音沙汰ナシ。まあそんなものかと思いつつ、次の諭吉へ。二万までは痛くない想定内の出費。それまでに初回として十分な体験が出来れば上出来だと思っていたので、即続行。

 

 …………?

 

 この二万円目が凄かった。誇張でも何でもなく、何も起きない。ランプは当然光らないし、期待を煽るような演出も一切無かった。台が静かなので眠気すらやってくる中でTwitterとかdiscordをダラっと見ていたら、いつの間にか30分経っていたと言うほかない。隣の1000juは「これが緑保留か、赤字コメントの意味が分かった」などと例のアレに肩まで浸かっている彼らしい発言*3をしていて結構なことではあったが、彼は彼で当たる様子はなかったらしい。

 二人合わせて600回転ほどの試行回数。初当たりの確率は1/319だというから、別に特段珍しくもない事象だとは思うが、あまりにもあっけなかったことが印象深い。この時は「これにハマる人間がいるってマジで言ってる?」くらいの気持ちだった。とにかく、慶應から回収した二枚の諭吉はカスリすらせず無に消えたわけである。

 ここらで13時前になっていたのでdiscordの方に飯休憩の提案をする。Kyoroさんは俺たちの数個隣で当たりを引き当てるも、あまり連チャンしなかったらしくプラマイゼロで打ち止め。1パチ組はらかちゃんがそれなり勝ち、ゾンビさんは……連絡が付かない。単にわかりにくい場所で打っていて連絡に気が付かなかっただけなのだが、正直この10分少々の行方不明騒動が一番面白い出来事だと思うくらい、前半戦は(俺については)何も起こらなかった。

おじさんの台は700回転くらい当たっていなかった

 

当日・午後

 金額的な負けより、今日面白いことを体験できていないということの方がしんどいなと思いつつ、つけ麺屋でラーメンをすすった俺。ほぼ同じ状況の1000juと共に機種を変更することに異論はなかった。Kyoroさんもいくつか提案しつつ俺たちに「捲るんやから1に移行は無い」と即断言するあたり、良識派でありつつもしっかり焼けている好人物だ。

 リゼロは結局のところ、最初の当たりを引くまでの通常モードがかなりの虚無で、当たってからが本番というようなハイリスクハイリターンな台だという。discordコミュニティの助言などもあり、初当たりの確率が緩く通常の演出も楽しいというシンフォギアに午後は座ることになった。今度は1000juと俺が一席離れ、Kyoroさんは1000juの方へ。

 

p-town.dmm.com

 

 シンフォギアも履修こそしていないが、楽曲はいくつか知っている。Synchrogazer音楽ゲームでプレイしたことがあるし、友人の影響でカラオケに行くとVitalizationをよく歌っていた。……シャドウバースで何人かのキャラクターと台詞を知っているという状態と、主題歌をいくつか聞いたことがあるという状態。どちらが「詳しい」かは、意見が分かれるところだろう。

 それはさておき、この台は先述の通り初当たりの確率が1/199とやや緩い。もちろん出玉の期待値が1/319の連中に比べれば低いことでバランスは取れているのだが、踏んだり蹴ったりすら起こらない無の午前を過ごした自分からすれば、そこの緩和は涙が出るほどありがたいことだ。

 そして座って数分で、「通常が楽しい」という助言の意味に気付く。当たりこそまだ来ないが、期待させるような演出が次々に繰り広げられ、視覚情報として楽しいし、回転当たりの時間が長いため単純に持ち玉の減りが遅い。長く遊べる。

 ただ、これも一長一短だとは思った。結局のところ、当たりは引けていない。演出が「真」である確率が弱いのだ。これは慣れてしまえば、当たらんくせにピーピー騒ぐなという感情も生まれてくることがあるだろう。

学び

 シンフォギアの一万円目、この日通算三万円目をノーヒットで失ったところで、トイレに行く。これは機種とは何の関係もないのだが、リゼロはシンフォの4倍くらいトイレまでの距離が遠かったのでこれもありがたい話だ。

 そして用を足して帰ってくると、何やら1000juとKyoroさんの辺りが騒がしい。「扉が開いています」というシステム音声が一定間隔で流れ、店員が二名ほどやってきていた。あいつらまさか……”やった”か!?

 無関係を装って座り込み、discordで事情を確認する。どうやら台の内部で玉が詰まってエラーを発生したらしく、彼らに非は無い話だった。怖いお兄さんとかが出てくることはなかった。一安心。というか彼らは一足先にとっくに初当たりを引き当て、特にKyoroさんはなんか上位のモードに突入して一万発出していたらしい。ズルじゃん。

 らかちゃんからも海物語で何かいいことが起こっている写真が送られてきて、正真正銘の一人負けと化した俺。午前は失っても痛くない金だったこともありさほど負けた実感はなかったが、次の一万円辺りからはそんなヘラヘラはしていられない。30分で失うことも出来るこの一万円。競馬なら全外しでも一日遊べる額だ。それなりの覚悟を持って挿入する。

 

 そして四万円目の序盤。台中央のレバーのような物理ギミックがガタガタ言い出した。

 

 地震?故障?もちろん違う、これこそが激熱。その身で体感しようと握りしめるも、意外と震えが強くて割とすぐに手放してしまった。ボタンなどの物理ギミックは遊戯としての舞台装置であり実は確率計算には意味が無いらしいのを知っていたので、そこらへんの諦めは迅速に。

 打ち終えていたらしいKyoroさんに後ろに立ってもらっていくつか指導を受けつつ、これまでの三万円では全く縁のなかったものを急速に学んでいく。全回転、確変、右打ち、時短、継続…………演出も一つ一つが派手で、五感*4を通じて「当たり」を全力で伝えてくる。パチンコが楽しい理由がようやく理解できた十数分だった。

 最終的には負債を捲りきるまでは行かなかったが、十分回収出来た。午後単体ではもちろんプラス。何やら当たりの中でも確率の極端に低い演出*5を引き当てていたらしく、その希少性を知らないのはほんの少し損した気分だが、初見プレーという当初の目的は大きく達成したと言えよう。

 

よかったね!

 

 その後は各々当たりが終わり次第引き上げ。例の謎の景品を謎の場所で現金に換える行為にテンションが上がったのち、バーで皐月賞と最終レース観ながら酒をひっかけてダラダラしていた。バイト終わりで参戦してきたヤバスギ謙信をギャンブル中毒者しかわからない会話で困惑させつつ、らかちゃんが中央の競馬場が未経験だというので次回は府中だな!としたあと解散となった。

 ちなみに皐月賞自体は、二頭軸で挑んで片方ソールオリエンスは良かった、もう一頭がべラジオオペラだったのでスカ。つーわけでこの日自体の収支は微負け、オフ会で日中楽しく遊んだにしては全然お金減ってないくらいなので満足。Kyoroさんが収支均してくれたおかげやねんなマジで……

 1パチ組も結構好調で、特にゾンビさんは当たりが続きすぎて皐月賞に間に合うかギリギリだった。彼は今回のメンバーの中では一番「ギャンブルに負けている男」と周りに認識されているが、オフ会では競馬11レースやって10レース的中など、ちょっと異常な強さを誇る。全く極端な男である。

 

感想

 パチンコが遊びとして何が面白いかは存分に味わえたのではないかと思う。これは全くもって俺の私見だが、待ち続け、当たれば脳汁が出る。これは趣味の中では釣りに類似している。人間の遺伝子に刻まれた狩猟本能とその成功体験を、電子的な演出で飾り立てて強烈に脳を喜ばせる、危険で蠱惑的なエンターテイメントだと感じた。

 一方で、ギャンブルとしては公営競技の刹那的かつリターンの大きい未来予知大会の方が肌に合っているのを確信した。自分の言っていた通りになった!という喜びもまた人間の脳を焼くし、オッズ的な事を考えると初当たりまで三万飲まれるのが普通なら二十万くらい出てくれないと見合わんて。

 そんなわけで、人と一緒に行くなら全然アリの娯楽だと思った。フォロワーのギャンブル中毒者の皆さん、お声がけお待ちしております。

 

 

*1:そして彼の金を託されて最終レースに賭けた俺はかつて、トリガミという最悪の結末を迎えた

*2:渋くても客が逃げない田舎は客を舐めた設定が出来るし、激戦区はそれをやると他の店に客を奪われるから多少甘やかす必要がある。この辺はパチンコに限らずよくある経営判断

*3:別にそれは俺も他人事ではない

*4:いやもちろん嗅覚味覚は無いけども

*5:1/199のうちの0.5%ということらしい、なんやねんそれ